株主を介して、社員に社長を評価してもらう
1年ぶりに、社長の評価(CEO Evaluation)を株主であるBEENEXTの前田ヒロにやってもらいました。
具体的には、全社員30名弱と30分ずつ面談してもらい、対話を通じて「社員が社長をどう評価しているか?」をまとめてフィードバックしてもらいます。ネガティブな評価も伝えやすいよう、もちろん匿名で実施。
これはあくまでも社長をより良い経営者にするためのフィードバックが目的であり、役員報酬等その他の決議に使われるものではありません。
結果を公開します
今回も、1年前 と同様に、結果をブログで社外にも公開します。
公開し続けることで、自分へのプレッシャーになるし、今後入社する人にどんな社長か理解してもらう効果を期待しています。あとは風通しの良い会社アピール。
ちなみに社内メンバーには Qiita:Team 上で公開済みです。
評価結果
Summary
宮田社長の社員や共同創業者からの信頼や好感度は2016年5月の評価じと変わらなく高い。 マネージメントに関して前回より大きく改善された所は、コア・バリューを社内に浸透させる取り組み。ほとんどの社員が、このバリューを意識し、理解している。目標設定のやり方にまだ試行錯誤な部分はあるものの、全体的にメンバーそれぞれ目指している方向や、やるべき事は理解している。
Positive
社員からの信頼も高く、早くて正確な決断、そしてロジカルに考えを伝える点で高い評価を得ている。また、周りの雰囲気を良くするEQの高さもある。
Negative
特になし。
CEO 総合点: 4.0点
(1=良くない、2=少し良くない、3=普通、4=良い、5=大変良い) 全体として5.0点満点中4.0点の高得点。詳細は以下。
ビジョンや戦略の明快さ: 4.0点 / 5.0点
会社のビジョンや戦略、そして個人の目標は明快になっている。定期的に行われる経営合宿や週次のミーティングで、ビジョンや戦略も共有されている。また、Qiita Teamを使って様々な会議の議事録や会社の情報が透明性高く共有されている事により、社員がスムーズに情報にアクセスできる環境が整っている。
個人の目標設定に関してはまだ試行錯誤なところがある。変化が激しい環境なので半年先の目標へのコミットが難しいという意見も多数あり。目標設定の期間と言うよりも「設定の仕方」に改善が必要。2週間に一度行われる上司との1on1では、進捗管理をするうえで上手く機能している。
コア・バリー(価値観)の明快さ:4.5点 / 5.0点
会社のコア・バリューがほとんどの社員に浸透している。「早いほうがカッコイイ」や「ワイルドサイドを歩こう」などと言ったコア・バリューが社内の日常会話に使われている。浸透の理由を聞くとSlackと答える社員が多かった。Slackを通じて行う啓蒙活動や、カスタムスタンプの利用が効果的に効いてる。これによって社員は効率の良い議論や判断ができるようになっている。
文化作り:4.0点 / 5.0点
SmartHRでは和気藹々と議論し、トライ&エラーを繰り返すなど、自立主体性の高い文化が存在している。この文化を作り、維持させ続けることができている理由は、
- 採用プロセスの段階で、文化に適合する人材をフィルターしていること
- 各部署のリーダーやマネージメントチームが、その文化を支持し維持させ続けようとする当事者であること
- 透明性が高い情報共有
などがあると考えられる。
今の文化は、意図的に作り上げてきたものではなく、自然と生み出された印象がある。規模がさらに拡大した時や新入社員の割合が大きくなった時には、文化づくりと意識の統合のためのオリエンテーションを強化する必要がある。
人材マネージメント:3.5点 / 5.0点
SmartHRの社員の文化適合率は非常に高い。個人の価値観や働き方に整合性がある。役員が必ず面接を行うという取組みが大きく貢献できている。ただ、必要人員のスキル面の基準が、部署によっては明快になっていないケースが見受けられること、そして、カルチャーフィットの言語化を徹底する必要があると思われる。
また前述の通り、新入社員のオリエンテーションはより強化する必要がある。それぞれの部署に関する情報、別のチームとのコミュニケーションプロトコルなどが不透明のまま仕事が始まってしまうケースが、今年前半に入社したメンバーに多く見受けられた。
以上。
前田ヒロさんのコメント
評価をまとめました〜 他にもいくつか改善のポイントがあるけどそれは別途書くね。ほとんどはもう改善方向に進んでるようだけど。
結果をうけて
大きく3点、「1. 目標設定」「2. オリエンテーション」「3. カルチャーフィットの言語化を徹底」に改善の必要があると思いました
1. 目標設定
目標設定に関しては、課題の認識ができていたので、すでに下半期から新しい目標設定方式に切り替えています。
以前はいわゆるMBO方式の「定量的でタスクっぽい目標」だったのに対し、下半期からはOKRのような「定性的でミッションっぽい目標」に切り替えています。
そうすると評価のズレが気になるところですが、社長⇔全メンバーと、リーダー⇔各メンバーの1on1は会社として習慣化しているので、リアルタイムフィードバックに近いかたちで運用してみようと考えています。
2. オリエンテーション
初期メンバーは必要な情報を勝手にキャッチアップしてくれていたので、そもそもほぼオリエンテーションは実施していませんでした。
しかし、最近は初期に比べると会社もプロダクトも大きくなり、ユーザーの規模や業種も幅が広くなっています。それにともないキャッチアップが必要な知識も増えてきました。
「会社のビジョン・ミッション・価値観」「事業計画」「プロダクトへの基本的な理解」「各チーム毎の研修」など、オリエンテーションの強化をはじめています。これは私がやっているというより、各チームが自発的に動いてくれています。多謝🙏🏻
3. カルチャーフィットの言語化を徹底
これに関しては、まだ着手できていないので、まずは mitsucari を試してみるところからはじめてみよう思い、このブログを書きながら商談の依頼をしました(済)
歴史に残る模範的なプロダクト、事業、会社をつくりませんか?
SmartHR社は、このような感じで、きちんと変化していくことができる会社です。
多くのメンバーにとってはこれが1回目の起業なので、シリアルアントレプレナーに比べると、会社の成長とともに生まれる課題への知識も経験もありません。
そのかわりに常に変化することを恐れません。従業員数が7名になった1年半前から「変化を状態化する」ということを強く意識しています。
大きくなったといっても、まだまだ30名程度で、未整備のところも多く、事業としても 1=>10 のフェーズです。これから100、1,000と、事業を大きく伸ばしていく必要があり、まだまだ一緒に働く初期メンバーを募集しています。
私達と一緒に、歴史に残る模範的なプロダクト、事業、会社をつくりませんか?
ご応募お待ちしています。