渋谷のワンルームマンションにこもってます
こんにちは、SmartHRの宮田です。
こちらの 941::blogの記事 の通り、超快適な駅直結&新築のオフィスビル PMO半蔵門 を飛び出し、渋谷のワンルームマンションで新規事業をつくっています。
ちなみにSmartHRの社長を辞めたわけではありません。週1.5日はSmartHR社に出社し、週3.5日はワンルームマンションに出社してます。
来年4月の 六本木グランドタワー移転 の日までには、なんとしてでも帰りたい。
なぜ新規事業?
渋谷のワンルームマンションには新規事業をつくりにきています。
SmartHR本体の事業はとても順調ですが、SmartHR本体の成功だけでは、私達が目指す成功水準には到達していません。
会社として「普通の勝ち」ではなく「大勝ち」にしたいと強く思っています。
その為の新規事業です。
補足: 先日発表した プラットフォーム化構想 とはまた別の事業をつくる予定です。SmartHRの事業はざっくり3つに分かれてます。
- SmartHR 本体
- SmartHR Plus(プラットフォーム化構想) ← 先日発表した奴
- SmartHRに関連する新規事業 ← 今回はコレ
上記の「2」に関してはSmartHR社でやりますが、「3」に関しては会社も分けるかもしれません。
なぜ社長が?
いくつか理由はありますが、
1. 創業者の役割
SmartHR社では、創業者の役割を下記のように位置づけています。
【役割その1】
- 事業のボトルネックを解消する
- ex: エンジニア採用ができない → エンジニア採用に社長がコミット
【役割その2】
- 既存事業にレバレッジを効かせるなにかをやる
- 主にその 0⇒1 を担当する
今回の新規事業は上記の「役割その2」ですね。創業者は 0⇒1 が得意なので向いていると思っています。
2. ゼロからSmartHRという事業を生み出した実績
冒頭でも書いた通り、SmartHR本体の事業はとても順調です。
- T2D3を前倒しで進行中
- Churn Rate やユニットエコノミクスもいい感じ
- ローンチ2年で20億円調達
一般的に、シリアルアントレプレナーのほうが成功確率が高い的に言われます。私はまだ何かしらを成し遂げたわけではない "エセ" シリアルアントレプレナーですが、SmartHRをローンチした3年前と比べると、はるかに経験が貯まっているので、未経験の人がやるより色々とショートカットできるであろうと考えています。
3. (失敗したとしても)新規事業に失敗することのハードルを下げれる
いきなり社員が新規事業ってそれはそれでハードル高いですよね。失敗したら、なんだかんだ戻りづらくはなりそう。
社長が一発目に「ごめん〜!みんなが稼いだお金ぜんぶ溶かしてしまいました〜!」って失敗しておけばよりチャレンジしやすくなりそう(失敗したくないけど)
4. 「新規事業を多産多死する仕組み」のドッグフーディング
今回の新規事業のやり方をパッケージ化して、SmartHRを「新規事業が生まれやすい組織」「社員がチャレンジしやすい組織」にしていく予定です。
なにごとも、まずは自分が人柱にならないとね!ということで、ドッグフーディングしながら、新規事業を生み出しやすい仕組みをつくっていきます。
これから数年でSmartHR社は新規事業をたくさん生み出す会社になります(予言)
なぜ今?
これまたいくつか理由があります。
1. 権限委譲がうまくいき過ぎて、社内で一番ひま
新規事業の話がでたとき「いますぐ身動きとれる人いるかな〜?」と社内を見回したら、身動き取れそうなのは自分しかいませんでした(みんなが優秀なので、完全に任せられています。ありがとう🙏)
2. 人事をまかせる人(仮)の入社が決まり、いよいよやることなくなった
ここ1年は、「採用」や「組織づくり」といった人事的な役回りが多かったのですが、それも 人事を任せる人(仮)が入社してくる ので、いよいよやることなくなりました。
ちなみに、上記リンクの薮田さんは「俺が人事やることで、みやしょうがプロダクトやれるなら、SmartHR社に行くよ!」と言ってくれてました。現実になった。いい話。
3. あまりにも小さなことに満足してしまいそうになる。
FiNCの溝口さんがTwitterでいいこと言ってました。
起業家の最大の誘惑は、あまりにも小さなことに満足してしまうことにあると思ってます
— 溝口勇児@FiNC (@mizoguchi_yuji) 2018年10月8日
・それなりの売上、利益が立つ
・従業員が増える
・タワーマンションに住む
・そこそこのお金を手に入れる
・交遊関係が広がる
・資金を調達する
・メディアで取り上げられる
皆、初心を忘れずに。自戒を込めて。
私もちょっと会社が大きくなったからって、あやうく慢心してしまいそうになっていたので、「あっぶね〜」と思って飛び出すことにしました。
小さな成功にしがみついて、新しい挑戦にビビってるのはかっこ悪い。
4. 早いほうがかっこいい
思いついたらすぐ行動!
なぜわざわざワンルームマンションで?
組織運営では、「みんなが自然と努力しやすい環境」を用意して、成功確率を上げることが大事だと思っています。これは組織だけでなく、個人も同じだと思っています。
私は、ものすごく自分に甘く、すぐに楽をしようとする性格です。自分への言い訳も抜群にうまい。
なので、キレイで快適なオフィスにいながら、優秀なメンバーが勝手にKPIを達成してきてくれる環境のなかで、新規事業をつくる努力することは、私にとってはめちゃくちゃ難しい。
自分の性格をよく知っているので、下記のことをやれば成功確率を高められると思っています。
1. 言い訳をできない環境に身を置く
- 他の仕事を言い訳につかえない
- ニセの仕事を自分にさせない
2. 公言することで退路を断つ
- 社内外に言いふらして中途半端でやめれない状態にする(このブログもその一環)
- これで何も生み出せずに帰るのはめちゃダサい
3. 期限を設けて、1つのことに集中
- 1月末に株主プレゼンでGOサインをもらう
- 短期集中で1つのことしかやらない
4. 早くここから出たいと思わせる
- 駅 徒歩15分
- エレベーターなし
- 窓も閉まらないので寒い
- 冷蔵庫とか電子レンジとか置かない
駅直結の新築ビルで、オフィスにいながら雪見だいふくが買えるような快適なオフィスで新規事業はつくれない!(個人の見解です)
オフィス内で雪見だいふくが売ってる。なんて良いオフィスなんだ…。 pic.twitter.com/QeDi2nYyD3
— 宮田 昇始 (@miyasho88) October 4, 2018
ちなみに、過去、だいたいこのメソッドでうまくいってきました。
例
- Open Network Lab の3ヶ月で SmartHR できた(2015年)
- 半年で20kg減量(最近)
なので、今回もなんとかなるだろうと思っています。 HUNTER×HUNTERでも、制約と誓約で念能力が強くなるって言ってましたし。
なぜ渋谷?
創業したワンルームマンションが渋谷の桜丘だったというのが一番の理由です。しかし、桜丘周辺はぜんぜん空きがなくて、更に渋谷駅から遠くなりました(渋谷駅 徒歩 15分)
ただ、会社がうまくいくきっかけになった Open Network Lab に近づいたので、まあいいかなと。
また、知り合いの起業家たちが、近所で2回目の起業をはじめているそうで、彼らから刺激をもらいたかったっていうのもあります。
どういう経緯で決まったの?
先日の株主定例MTGで、前田ヒロさんに「新規事業いつまでにはじめるんだっけ?」と聞かれて、「あ、決めてなかった!」となり、
その日のうちに
- 1月末に株主向けにプレゼンしよう
- 今すぐ動けるの自分しかいない
- あれ、でもこのオフィスにいてできるイメージ湧かない
- そうだワンルームマンション借りよう
- 宮田「渋谷にワンルームマンション借ります」
- CFO 玉木「Go! Go!」
翌週月曜には物件を内覧に行き、即決しました。そして先週の月曜日に入居し、いまに至ります。
なお、COO 倉橋は「一晩だけ冷静になって考えてください」と、見たことないくらい真剣な顔で反対してきましたが、翌朝には「わかった、もう止めても無理そうだから行ってきなさい。ただし絶対結果を出してきてくださいね」と背中を押してくれました。いい話。
何系の新規事業なの?
まだざっくりとした方向性があるだけですが、おそらく FinTechっぽい事業になる予定です。完全に新規ではなく、SmartHR事業の強みを活かしたものになります。
ただ、SmartHRのときもできるまで12回ピボットしているので、できあがったらぜんぜん違う事業になってるかもしれません。
まとめ
- SmartHRはとてもうまくいってる
- これはもっと大勝ちするための新規事業
- 渋谷のワンルームマンションでつくってきます
- 今回のやり方をパッケージ化して、SmartHR社は新規事業をガンガン生み出せる組織になります(予言)
もし何も生み出せなかったら、できるまでおかわりする予定です。
次回予告
渋谷にこもって新規事業をつくっていたら、社員にブログをのっとられました!助けてください!