あなどるなかれ部活制度
SmartHR社は、組織づくりが上手くいってると思われているようで、社外の人から組織や人事制度についての質問をたくさんいただきます。
そのなかで「部活いいですよ」と答えることが多いのですが、8割くらいは「部活ですか…。ふーん…。」という、興味がなさそうなリアクションをもらいます。
そのリアクションわかる。なぜなら私も昔はそうでした。しかし、あなどるなかれ部活制度。
SmartHR社の福利厚生の利用率を調べてみたら「部活」がやばかったw
— 宮田 昇始 (@miyasho88) 2019年3月12日
・52部活が存在
・のべ182回活動
・のべ1,164人が参加
・1回でも参加した社員は90名(全体の86.5%)
・これまで178万円を支給(1人1回1,500円補助)
・最も活動数が多いのは「うなぎ部」
いま社員数104名で、1年ちょっとの数字です
部活導入前の課題感
1. 部署間コミュニケーションが薄くなる
20名くらいまでは、ほぼ毎日全員と話すような環境でした。誰が何の仕事やっているかを全員が知っている。
それが30名を越えたくらいから、業務上での関わりがないと、1週間で一言も話さない人が出始めました。
このままだと、部署が違うと入社してから一度も話さないとか、顔と名前とSlackアカウントが一致しなくなるとか、セクショナリズムも強くなるとか、ザラにありそうだなと感じていました。
なにより、全然知らない人と一緒の空間で働くのって、なんかモヤッとした居心地の悪さを感じますよね。
2. 幹事つらい問題
初期のSmartHR社は、飲み会が高頻度で開催される会社でした。(今もかも)
そこで仲良くなるみたいなのは多いんですが、飲み会の幹事って大変です。
そしてだいたい幹事って一部の人に偏ります。つらい。
3. 飲み会問題
あとは、パパママ世代や、お酒が苦手な人も増えてきて、飲み会だとそもそも参加できない人が多くなってきてました。
あと、飲み会だけだと、マンネリもする。
努力やマンパワーではなく「仕組み」で解決したい
会社の考え方として、「努力やマンパワーだけで解決しようとすると、長く続かない」というのがあります。
誰かがコミュニケーション促進をがんばったり、皆に働きかけたり、それはそれで重要なんですが、継続する仕組みが大切だと思っています。
なので「何事も仕組みで解決」したい。
そう思って、コミュニケーションの機会が自然発生するような仕組みを模索していました。
部活をはじめたきっかけはメルカリ小泉さん
あるとき、メルカリの小泉さんから「部活けっこういいよ」と教えてもらいました。
ご多分に漏れず、当時の私も「部活ですか…。ふーん…。」というリアクション。
しかし、 考え方やルールを聞くと「なるほど確かに良さそう」と納得する部分が多かったです。
- 社員同士で勝手に仲良くなってくれるなら、部費のコストは全然安いもの
- 部活は乱立OK(例えばビール部、日本酒部、ウィスキー部とか)
これらの考え方を、自社の部活制度の参考にしました
SmartHRの部活とルール
- 部活の設立は申請制。乱立OK
- 「2部署以上」かつ「4名以上」で集まって遊ぶと1人あたり1,500円/月を支給
- 活動報告は参加者名 + 集合写真 + 簡単な活動内容を esa にアップでOK
- 入社して初めて部活に参加するメンバーがいると +5,000円/回を支給
- 費用の補助対象は「 コミュニケーションが促進されるもの 」で、資産になるものはNG
- 部活の参加は完全に任意で強制なし
細かいルールは他にもありますが、ざっくり上記のような感じです。
どんな部活があるの?
SmartHRの部活一覧です。延べ参加人数が多い順に並べています。
- うなぎ部
- カフェ部
- ボ部(ボルダリング部)
- バドミントン部
- ゲーム部
- 野菜部(野菜推しのお店に行く部)
- 卓球部
- ボードゲーム部
- キャンプ部
- サウナ部
- 辛い部(辛いものを食べる部)
- 韓国料理研究部(韓国料理を食べる部)
- 遠い世界の食卓部(チェコ料理やカンボジア料理などのお店に行く部)
- 蹴球部(サッカー、フットサル部)
- 休日センベロツアー部(休日にはしご酒する部)
- リアル脱出ゲーム部
- 沖縄部(沖縄料理を食べる部)
- IR探求部(上場企業のIR資料を読みながらお酒を飲む部)
- スパイス探求部(スパイスが効いた料理を食べる部)
- 登山部
- ランニング部
- メリノ部(羊料理を食べる部)
- ダーツ部
- 釣り部
- English Clu部(英語の勉強する部)
- HADO部(HADOをやる部活)
- 筋トレ部
- 人狼部
- メキシカン部
- アメリカンダイナー攻略部
- まぐろ部
- リザー部(予約困難な人気店をがんばって予約して行く部)
- ポケモンカードゲーム部
- バスケ部
- 軽音部
- 日本酒部
- udon部(うどんを粉からつくって食べる部)
- ポーカー部
- Disney研究部(ディズニーランドに行く)
- SQL勉強部
- 海鮮部
- 料理部
- 王子部(王子駅周辺で王子らしい遊びをする部)
- 写真部
- ラーメン部
- たほいや部( たほいや をやる部活 )
- 目黒部(目黒駅周辺のお店をめぐる部)
- 将棋部
- カラオケ部
- いきなりステーキチャレンジ部
ネーミングにも個性が出ますね。
導入した結果を数字で
冒頭のツイッターにも書いてますが、
- 52部活が存在
- のべ182回活動
- のべ1,164人が参加
- 1回でも参加した社員は90名(全体の86.5%)
- これまで178万円を支給(1人1回1,500円補助)
- 最も活動数が多いのは「うなぎ部」
社員数30名くらいのときに部活制度がはじまって現在104名。約1年半の数字です。(2019年2月末時点)
定性的な結果
このブログの下書きをSlackに投稿してたら、メンバーから以下のようなコメントもらえました!ありがたい
この規模で社内に知らない人がいるって結構気持ち悪いんですよね。なので部活を通してだけコミュニケーションとったことがあるというだけでも有意義ですし、仕事で絡むことになったときもめっちゃやりやすい
- こういう制度はわりと形骸化しがちがあるある話。部活制度誕生から1年ちょっと経過してもコンスタントに毎月一定数(10-15)の部活が開催されているのは幹事がいい具合にローテンションしている証拠かも?
- 休日に開催する部活は家族も連れてきてOKなので(部費は対象外)、家族に会社や他の社員の雰囲気知ってもらえる良い機会になっていそう
蹴球部きっかけでフットサルにはまって、部活以外でもメンバーとフットサル結構な頻度いくようになったんすよね。それ以外にも先週は、他のメンバー3人がサッカーしに行ってたり。ので、経費出る月1の活動とは別に能動的な交流が生まれてるのが、仕組みで解決感あってめちゃ良きだなと!
いち新入社員的には、飲み会に混ざりやすくてめちゃ助かりました。出来上がってる社員同士のコミュニティ(飲み会)に「混ぜて!」っていうの結構心理的なハードル高いと思うんですけど、部活という理由があることでだいぶ楽になっていたのではないかと
- 人見知りなので共通の話題がないと自分から会話できない→基本は好きなことを共通にして集まっているので話が弾む→好きなことを切り口にして他の話題でも話せるようになる→仕事でたまにしか関わりなくてもやり取りしやすい気がする
- 部活に参加していなくても、活動報告を見て、なんとなく人となりが見えたりもする(シャッフルランチなどのネタになる)
- ひとり1,500円/月 という絶妙な金額(結果論だけど)
- これ、人事視点かもしれませんが、わりと安い設定のような気はしますがとても良いと思います
- 3,000円とか5,000円支援してしまうと、大きなことをしようとしてなかなか一歩踏み出しづらいかもしれませんが、1,500円だとライトに部活立ち上げたり、活動したりできるような気がしています。
初めての部活参戦では5000円の補助が出るのは改めて実体験でいいなと思いました。無理矢理にでも別グループのメンバーから誘われて参加できるので、初動のハードルが下がって次につながりやすいかと。もしかすると歓迎会よりも歓迎されているかも👀
人見知りなので初対面でのコミュニケーションがなかなか困難なのですが、自分のお誘いに乗ってきてくれたというアドバンテージがあればお話しやすいですね。同じものが好きな人=感覚の似ている人はコミュニケーションのハードルが低いので、会社に馴染む第一歩としてとてもスムースです。
部活制度のおかげで趣味が増えたり、熱中できるものが増えてプライベートも充実し始めた感
業務以外でヒーローになれる場となっているのが良いですね。みんなそれぞれ、業務上の関わりだと見えない得意技を持っていると思うのですが、それを部活を通して披露できて、そこでの自信が業務にも活かせるようになっていくと素晴らしいと思います。
部活はスタートアップにオススメ
というわけで、部活制度は急成長して人も急激に増えているスタートアップにオススメです。
ちなみに自分は、キャンプ部、サウナ部、休日センベロツアー部、バドミントン部、辛い部、野菜部、メキシカン部、アメリカンダイナー攻略部 、うなぎ部、メリノ部(羊肉)、ボ部(ボルダリング)、人狼部、筋トレ部、釣り部、udon部、ランニング部に参加したことがあります。けっこう参加してる。
イチオシはキャンプ部とサウナ部です。
最後に・・・
SmartHRに転職して、一緒にキャンプやサウナに行きましょう!
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