これまで、多くのSmartHRの社員と定期的に1on1を行なってきました。驚くことに、話をした全員が「入社前後のギャップがない」と話すんです。普通、採用のときって自社を良く見せようとするはずですが、SmartHR社は採用においても内情を正直に伝えていることの現れだと思う。
これはSmartHRの初期からの株主である前田ヒロの発言です。これまで4回に渡って、のべ100名の社員と1on1をしてもらいました。
確かに、他のスタートアップと比較すると、入社前/入社後のギャップは少ないと思います。これは採用資料の公開をはじめ、内部情報を外部にもオープンにし続けた結果だと思います。
3〜4%の社員がギャップを感じている
しかし、最近ではギャップが生まれ始めているようです。
入社後、2ヶ月たったタイミングで、私は全社員と1on1をしています。
そこでは入社前と入社後で感じたギャップについても尋ねています。「良いギャップ」を口にする社員も少なくないのですが、3〜4%の社員が「悪いギャップがある」と直接的、ないしは遠回しに口にします。
外から見えるより「実力主義」なカルチャー
その多くが「思っていたよりも実力主義だった」「(実力を示せないと)まわりが遠ざかっていくように感じる」「(実力を示せないと)手を差し伸べてくれなくなる」というものです。
おそらく、会社の雰囲気を伝えるために発信していた「部活動」の様子などが多く目に触れた結果、とても牧歌的なカルチャーの印象を少なからず与えてしまっていたようです。
これは、採用PRで推すべきポイントを間違えた、我々のミスです。
優秀な人は、優秀な人と働きたい
チームのやる気を最大に高めるのは、優れたチームメンバーが、つまり、ともに切磋琢磨しながらすばらしい仕事ができるメンバーがそろっていることだ。 (参照元)
有名な Netflix Culture Deck からの引用です。これはスタートアップ界隈では市民権を得ている思想だと思いますし、私も同じ思想です。
経営陣が従業員のためにできる最善のことは、一緒に働く同僚にハイパフォーマーだけを採用することだと学んだ。これはテーブルサッカーの台を設置したり、無料で寿司を提供したり、膨大な契約ボーナスやストック・オプションを与えたりするよりずっと優れた従業員特典だ。優秀な同僚と、明確な目的意識、達成すべき成果の周知徹底――この組み合わせが、パワフルな組織の秘訣である。 (参照元)
この思想にのっとると、会社として対処すべきギャップではないようにも感じます。
これは「いいことなのか?」と最初は迷った
最初、パッと「いいことでは?」と思ったのですが、すぐに「本当にいいことなのか......?」と迷いました。そのことはこのブログでも書いています。
今振り返ると、迷っていたのは、嫌われる準備ができていなかっただけだなと思います。
「実力主義」を宣言する準備ができた
救いの手を「最初から全く差し伸べない」ことと、「差し伸べ続けない」ことは別物です。
例えば、SmartHR社では、未経験のエンジニアインターンの方に「自分がつくりたいサービスをつくること」を題材として、メンターをつけて成長を支援します。ときには会社負担で外部のプログラミングスクールに通ってもらうこともあります。
しかし、どれだけ成長支援をしていても、同じミスを繰り返し続けたり、自分の成長にコミットしてくれない人に、手を差し伸べ続けることは、我々のような急成長スタートアップには難しいことです。
同じように、「入社してから短期間で、本来の実力を発揮してもらうため支援」と「日々の努力の積み重ねによる長期的な成長支援」とは別物です。
例えば、トータル10時間以上の入社オリエンテーションを通して、なるべく早く職場に馴染んでもらうことをサポートしたり、(まだまだ弱いですが)セールス・イネーブルメントのような概念を取り入れて、いかに早く成果をだし、活躍してもらえるかを試行錯誤しはじめています。
しかし、長期的な成長は、本人の努力と、強い意志が必要不可欠です。書籍の購入費用や、勉強会や講座の参加費用などは会社が負担することができます。一方で、本人の日々の努力までは面倒を見きれないと思っています。「1日1%の改善で、年間37.8倍の差が出る」と言うように、どれだけ強い意志をもって、継続的に自身の成長に取り組めるかが、最終的には大きな差を生みます。ほどほどにやっている人よりも、常に大きな挑戦をしている人に時間を投資したいです。
補足: チームじゃないと大きな成果は出せない
読み返して、個人プレー重視のような文章に見えたので、念の為補足です。
1人で出せる成果には限界があり、大きな成果を出すためにチームプレーは欠かせません。
特にSaaSビジネスは、会社全体で1つのプロダクトをつくり、ひろげていくビジネスなので、よりチームプレーが重要になってきます。
チームプレーで、大きな成果を継続的に出し続けられることも、実力の1つです。
あなたの実力を示せる環境です
SmartHR社は、実力がある人、自分を継続的に高めていける人にはうってつけの環境です。その逆の人にとっては、もしかしたら苦しい環境になるかもしれません。
偉そうなことを書いていますが、当の私は学歴や職歴もなく、大きな成果も出せずに、20代はとてもくすぶっていました。なので、人間、本気になれば、変われるとも思っています。
また、恥ずかしながら「自分がどこまでやれるか試したい」「実力を示したい」というエゴも、スタートアップを起業した理由の1つです。
この会社で、自分がどこまでやれるか試してみませんか?
私達と一緒に、歴史に残る会社、歴史に残るプロダクトをつくりましょう。
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