宮田昇始のブログ

Nstock と SmartHR の創業者です

社員に社長を評価してもらった結果(1年ぶり5回目)

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株主を介して、社員に社長を評価してもらう

1年ぶりに、社長の評価(CEO Evaluation)を、ALL STAR SAAS FUND の前田ヒロにやってもらいました。前田ヒロはSmartHRの株主です。

社員200名のうち35名と、30分ずつ面談してもらい、その結果を「社長の評価」としてレポートにまとめてフィードバックしてもらいます。社長の通知表、または会社の健康診断のようなものです。

これはあくまでも社長をより良い経営者にするためのフィードバックが目的であり、役員報酬等その他の決議に使われるものではありません。

結果を公開します

今回も、2016年2017年2018年2019年と同様に、結果をブログで社外にも公開します。

公開し続けることで、自分へのプレッシャーになるし、今後入社する人にどんな会社のか、どんな社長なのか理解してもらう効果を期待しています。もちろん、風通しの良い会社アピールも。

評価結果

SmartHR CEO Evaluation

Summary

従業員が200人を超えた現在も、引き続き全項目で高い数値を維持できている。スピード感もあり、組織全体として強く成長している。

Positive

ビジョン、戦略、そして目標が明確で、組織全体に正確に伝わっている。経営軍によるリーダーシップも強く、組織全体のスピード感や連携力を高めている。SmartHRらしい顧客を優先した価値観や積極的な権限移譲が強い組織力と文化を作り上げている。 もともと透明性が高く、なんでもドキュメント化する文化が定着していたので、フルリモート対応もスムーズに切り替えができている。仕事に支障を感じるメンバーはいなかった。

Opportunity

オンボーディングや研修の評判も良く、きちんと機能している中、研修後のフォローアップの面では、強化できる点がある。特に、チーフやリーダーは、実践に移してからの学びや気づきを共有できる場があると良いと思う。また、全体的に組織の連携力は高いが、部署によっては連携力を高められる余地はありそう。

CEO 総合点: 4.80点

( 1=良くない、2=少し良くない、3=普通、4=良い、5=大変良い)

全体として5.0点満点中4.8点の高得点。詳細は以下。

ビジョンや戦略の明快さ: 4.89点 / 5.0点

それぞれのメンバーが持つ目標は明確で、その目標をどのように会社全体の戦略に繋げていくのかという点においては、理解度がほぼ100%に近い。また、戦略に対する納得度も全体的に高かった。向かうべき方向や、メンバー間の目線が揃っている印象。 また、定期的に開催しているSKJ(全社会)が良く機能している。経営メンバーの発信力も高く、そしてメンバーから上がってくる課題の対応スピードも早い。コロナに対する対策も速やかで、ほとんどのメンバーが問題なく切り替えができている。

トップの意思決定スピードも早く、最近入社するメンバーからも驚きの声が出るほど。ただ、オープンな社風であるため、情報量も多い。欲しい情報はなんでも取りにいける、そして非同期の交流が増えるという大きいメリットがある一方、効率性を向上させるため、情報整理を求める声も高まっている。

コア・バリュー(価値観)の明快さ:4.86点 / 5.0点

バリューの浸透率も高く、特に引き続き「早い方がカッコイイ」が、組織全体として体現できていて、どの部署もスピードを感じながら進んでいる。ユーザーと向き合うバリュー「人が欲しいと思うものをつくろう」と「一語一句に手間ひまかける」もうまく浸透している。これらは、判断基準のポイントとしても活用されていて、また、その行動が評価ポイントにもなっている。メンバー間でも、会社の良いところとして「スピード」と「顧客目線」の2つのバリューが認識されている。 また、自律駆動を体現できている。

文化作り:4.91点 / 5.0点

全体的に連携力が高い組織。特にCSは協力的で、高い連携力を持っている。プレセールスの段階から他部署と連携したり、新規サービスを担当するメンバーとCSとの連携も発生している。PMMやPMの視点でも、顧客から来たフィードバックに対して素早く反応しており、早い改善に繋がっている。

ISは、Opsができてから特に連携力が高まったという声があった。今後Opsによる各部署との連携は、さらに向上が期待できる。

どんなことでもドキュメントに残す文化が定着しているので、キャッチアップもし易く、さらに質問がある時には聞きやすい環境が揃っている。権限移譲も積極的に行われていて、物事が早く進み、成長の実感がしやすい文化である。

その反面、FSとISは、まだまだ連携力を高められそうな印象。特にリード周りに関する認識を合わせたり、戦略やお互いを補完する方法についてもう少し詰められる部分はありそう。

人材マネージメント:4.56点 / 5.0点

新入社員のオンボーディングや、オリエンテーションが大変良くできていて、仕事を進める上で必要な情報のインプットがきちんとできていて、会社に対する「フィット感」も早い段階で感じてもらえている。

しかし、FSは、個人の力に若干依存しすぎている面もあり、今後ノウハウを体系化する取り組みを進めていくと良いだろう。

チーフやリーダー向けの研修に対する評判が良く、リーダーシップ経験の少ないメンバーにとって非常に役立つ機会となっている。ただ、いざ実践した後に出てくる課題に対して、チーフ同士が情報交換をできる場所や評価方法の再確認ができる場所を用意するなど、フォローアップをする機会があると尚良い。

優秀なメンバーが増えていて、全体として採用力も高い。月に約20名が入社するペースとなっているので、今後は特に採用ミスを最小限に抑えるため、定期的な採用基準、採用プロセスの振り返りを行い、常に改善し続ける必要がある。

過去との比較

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ちょっと上がってる〜👏前回が下がっていたので、うれしいです。

ちなみに過去の結果はこちら

結果をうけての所感

フィードバックの文章中にも、「連携」「認識合わせ」というフレーズが出ているとおり、今後は部署間での連携、認識合わせが課題になってきそうだなと感じています。

SmartHRは、かなりフラットで、横の連携も強い組織だと自負しています。だからこそ、今回の交通広告やテレビCMに代表されるようなスピード勝負ができています。

しかし、それでも大企業病の足音は、小さいながらも聞こえてきています。

大企業病の主な原因は、従業員増加にともう「相互理解の希薄化」や「認識のズレ」だと思います。そこから、利害の不一致、諦め、反感、セクショナリズムにつながっていくと考えます。

SmartHR社の組織、特にビジネス側は、専門分野ごとにチームが分けられたジョブ型の組織です。

ジョブ型の組織のメリットは、各チームが専門性が高まり、より大きな成果をあげられる点です。新メンバーの戦力化も早い。また、このリモートワーク環境下でも問題なく業務が進んでいるのは、このジョブ型の組織のおかげだなと感じています。

一方、デメリットとして、各チームが心理的にサイロ化して、コミュニケーションが非活性化。結果、セクショナリズムが強くなる可能性も少なからずあります。

これまでは、情報のオープンさや、「良い人が多い」と言われるメンバー達のおかげで、これが保たれていたように感じます。しかし、人数が200名を超え、気をつけないと、一気に大企業病になる可能性もあります。

専門性の高いチームで大きな成果を上げつつ、大企業病にもさせない。

そのためには各チーム間で、認識のズレを産まない、放置しない、諦めない。より丁寧で、より具体的な、意思統一が必要だと感じています。

さいごに

SmartHR社は、このようにとてもオープンで、組織の課題にも向き合い、きちんと変化していくことができる会社です。

大きくなったといっても、まだまだ200名程度で、未整備のところもまだまだ多いです。

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