宮田昇始のブログ

株式会社SmartHRの社長です。

SmartHR社の「バリュー」を1つ増やしました

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全社イベントで使用した、実際の資料の表紙

『認識のズレを自ら埋めよう』

2020年7月の全社イベントで、バリューを1つ増やす発表をしました。

SmartHR社にとって7つ目のバリューは『認識のズレを自ら埋めよう』です。

『認識のズレを自ら埋めよう』

人が増えると、意見が増え、相互理解が難しくなる。
建設的に議論ができないときは、前提のズレを疑おう。
相手の意図を聞き、自らも意図を話そう。
私たちは、相互理解と建設的な議論を諦めない。

なぜこのタイミングなのか、なぜこのバリューなのか、はじめて社外向けに書こうと思います。

バリューの変遷

本題の前に、これまでのバリューの変遷を紹介します。

  • ver 1.0 2015年6月 最初のバージョンをつくった(社員数 2名)
  • ver 2.0 2016年1月 マイナーチェンジ(社員数 7名)
  • ver 3.0 2016年7月 ほぼいまの形に(社員数 10名)
  • ver 3.1 2018年9月 説明文だけアップデート(社員数 50名)

※ 便宜上「社員数」と書いてますが、私と共同創業者の内藤さんも含みます。

5年前に創業者2人で考えたバリューを、1年かけてマイナーチェンジ。2016年には、ほぼ現在の6つのバリューに落ち着きました。

2018年に説明文の微調整こそ行っていますが、基本的には4年前、社員数10名のときにつくったバリューをそのまま運用してきました。

バリューの役割

SmartHRのバリューは「ビジネスモデルから逆算した、勝つための行動規範」です。

このバリューに合致する行動が多いとビジネスが成功しやすく、このバリューに反する行動が多いとビジネスが失敗する。そんな設計になっています。

手前味噌ですが、既存の6つのバリューは組織にしっかり浸透しており、うまく機能しています。

しかし、既存のバリューだけでは対応できない新しい課題が生まれ、それに対応すべく、新しいバリューをつくりました。

新しい課題「大企業病の始まり」

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これは、実際の社内イベントで使用したスライドです。

残念ながら、認識のズレから起きる小さなトラブルを目にしたり、それが諦めや反感につながってそうだな〜〜というシーンを見聞きする機会が増えました。

ところで、「大企業病」とはなんなのでしょうか?Wikipediaで調べてみました。

大企業病(だいきぎょうびょう)とは、主に大企業で見られる 非効率的な企業体質 のことである。

組織が大きくなることにより経営者と従業員の 意思疎通が不十分 となり、結果として、組織内部に 官僚主義、セクショナリズム、責任転嫁、縦割り主義 などが蔓延し、組織の非活性をもたらす。社員は不要な仕事を作り出し、細分化された仕事をこなすようになる傾向がある。

見るのもツライ!

その原因は「認識のズレ」

Wikipediaにも「意思疎通が不十分」とありましたが、単純にコミュニケーションが多い/少ないとかではなく、社内のミスコミュニケーションの多くは「認識のズレ」を放置していることが原因ではないかと感じます。

新入社員の方を対象にした入社2ヶ月目の1on1でも「周囲との認識のズレ」について質問をしています。

なにかトラブルを抱えているメンバーがいても、この認識のズレが原因であるケースが多く、どちらかが認識あわせの努力をすれば解決しそうな問題がほとんどです。

「認識のズレ」が増えた背景

認識のズレが増え、大企業病が始まる原因は、各社さまざまだと思います。ここではSmartHRの場合を紹介します。

1.従業員数の増加

なんと、SmartHR社の2020年9月現在の社員数は約300名です。年始に180名だったので、9ヶ月で1.6倍になっています。

当たり前ですが、関係者が増えると、意見が増えます。

意見が増えると、様々な意見が一人歩きを始め、認識を合わせることが難しくなります。

2.相互理解の希薄化

人数が増え、分業が進むことで、チームが心理的にサイロ化され、チーム横断のコミュニケーションが非活性化します。

他チームのことを知ろうとしなくなり、セクショナリズムが生まれ、認識のズレは放置されやすくなる。

リモート下では、横のチームとの連携の難易度も上がっています。(もちろんうまくやっているチームもありますが)

3.THE MODEL の弊害

SmartHRが2017年ごろから導入している「THE MODEL」というフレームワークがあります。

ざっくり言うとセールス&マーケティングのプロセスを「マーケティング(リード獲得)」「インサイドセールス(商談化)」「クロージングセールス(契約獲得)」「カスタマーサクセス(導入支援・満足度向上) 」の各段階ごとに専門チーム化し、各フェーズのKPIを可視化、分業によってプロセス全体を効率化するフレームワークです。

前提として、THE MODELはすごいフレームワークです。そのおかげで、 ここまでは急成長してこれました。

しかし、分業を前提としたフレームワークなため、その弊害も出始めています。

既存のバリューで対応できないのか?

残念ながら、既存の6バリューでは「認識のズレ」に対応できないという判断をしました。

まず、そもそも従業員が増加したことを想定したバリューがありません。4年前、10名のときにはここまでの急成長は想定できていませんでした。

また、現在のバリューは「個人」の行動に関するものが多く、チームへの意識が薄くなりがちかもしれません。

もしかすると「自律駆動」というバリューには内包されるかもしれないが、ちょっと広すぎる。

ということで、この課題に対応できる7つ目のバリューをつくりました。

新バリュー『認識のズレを自ら埋めよう』

改めて、新バリューの紹介です。(ちなみにこのバリューの最初のアイデアは私ではなく、今年2月入社の藤井さんのアイデアです!)

『認識のズレを自ら埋めよう』

人が増えると、意見が増え、相互理解が難しくなる。
建設的に議論ができないときは、前提のズレを疑おう。
相手の意図を聞き、自らも意図を話そう。
私たちは、相互理解と建設的な議論を諦めない。

全社イベントでは、実際に行動につなげやすいように「OK例/NG例」もあわせて紹介しました。

OK例

  • 結論だけではなく、背景を積極的に共有する
  • 共有したかではなく、合意したかにこだわる
  • 自分が話したことに対して、相手の意見や考えをちゃんと聞く
  • 他チームの意見や決定を尊重しつつも、疑問点があったらきちんと言う
  • リモートもあって、フィードバックがしづらい環境だが、お互いがプロフェッショナルであることを認め、敬意をもってフィードバックする

NG例

  • 結論だけしか話さず、背景や意図を共有しない
  • 伝えたので理解していると思い込む
  • 他チームができてないことについて陰口を言う
  • 納得していないことをそのまま放置する
  • 「自分にはわからないけど、何か理由があるはず」と勝手に自分を納得させる
  • 相手に遠慮をして、言いたいことを言わない

そんなに深刻?

いまはまだ大丈夫です(だと思っている)

ただ、このまま各所で生まれる「認識のズレ」を放置しておくのは怖いなと思っています。

そのために早めにバリューを追加しました。

新バリューが浸透しなかったら?

もちろん、浸透のために努力するつもりですが「もしかしたら半年で無くす可能性はある」と社内に告知しています。

しかし、現在のところ「ズレ埋め」という略称で呼ばれ、いろんな会議で「ズレ埋めしたいんですけど、そもそもこの課題って〜」という枕詞として使われています。

バリューに追加することで、突っ込んだ質問をすることや、大前提を確認するハードルが下がったように感じます。

また、 :zureume: というemojiがつくられ、Slack上でのやりとりでも「念のため :zureume: ですが〜」「1点 :zureume: の確認です!」というように活用されています。

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Slack で :zureume: を検索した結果

ちなみにSlackで :zureume: を検索すると「515」件の投稿がありました。いま発表から約50営業日なので、1日10回くらいemojiが投稿に使われているので、まずまず浸透しているかも?

まだまだ「村レベル」の会社

SmartHR社は300名規模になり、まあまあ大きい会社になってきたと思ってました。

そう思ってたんですが、最近読んだ「ブリッツスケーリング」という本の中では、

  • ファミリー 10名未満
  • 部族レベル 100名未満
  • 村レベル  数百名
  • 都市レベル 数千名
  • 国家レベル 数万名

という定義が紹介され、めっちゃ小さい会社扱いされていました。

どうせやるなら、国家レベルの会社(社員 数万名)を目指したい。

会社が大きくなっても、勝ち続けるための行動規範として、『認識のズレを自ら埋めよう』が機能してくれることを願います。

国家レベルの会社やっていき💪

さいごに

私達と一緒に、国家レベルの会社を目指しませんか?

採用資料を公開しているので、ぜひ見てみてください!

▼ 会社紹介スライド


▼ 採用ページ(全職種)
https://smarthr.co.jp/recruit

▼ 採用ページ(エンジニア向け)
https://smarthr.co.jp/recruit/hello-world

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