宮田昇始のブログ

Nstock と SmartHR の創業者です

社長を評価してもらった結果(Nstockでは2回目)

株主を介して、社員に社長を評価してもらう

昨年に続き、Nstockの株主である ALL STAR SAAS FUND の前田ヒロさん に「社長の評価(CEO Evaluation)」をお願いしました。

名前こそ「社長の評価」となっていますが、実際の中身は「組織の健康診断」に近いものです。組織の状態を映し出し、その組織をつくり上げている社長自身の通知表にもなっている、という位置づけで捉えています。

株主と投資先スタートアップは、会社の成長・成功という共通のゴールに向かって利害が一致しています。そのため、必要であれば耳の痛いフィードバックを率直にしてくれるので、依頼する相手としてピッタリです。

Nstockでは、この取り組みを通じて 組織課題を早期に発見し、改善につなげることを目指しています。今回は社員約50名のうち15名にインタビューを行い、その内容を「社長の評価」としてレポートにまとめてもらいました。フィードバックは匿名で集める形式なので、ネガティブな意見も安心して伝えられる仕組みになっています。

結果を公開します

1年前のブログと同様に、今回いただいたレポートも採用目的でブログに全文公開します(誤字と社内用語のみ修正済み)。

ここから先は、前田ヒロさんよりいただいたレポートをそのまま転載しています。

Summary

組織の状態は引き続き良好であり、特にCEO宮田氏への高い信頼、心理的安全性の高い文化、そしてミッション・バリューの浸透といった点で昨年同様に高い評価が維持されている。前回評価と比較して、全体構想や各事業がどうNstockの戦略ストーリーにどう繋がっていくかがより明確になっており、この点は大きな改善として評価できる。

一方で、事業の多角化と組織規模の拡大(50名超)に伴い、将来的な潜在課題がいくつか見えてきている。マネージャーを設置しないフラットな組織体制については、部門間の連携における複雑性の増大、意思決定プロセスの不明確さ、そして個人の成長支援体制の充実といった点で、今後の組織成長に向けた検討テーマとして浮上している。ただし、現段階では現場から対策を強く求められているわけではなく、あくまで将来に向けた潜在的な検討課題として捉えるべき状況である。

よく出来ていること

  • CEO宮田氏への信頼が非常に厚く、そのリーダーシップやコミュニケーションスタイルが高く評価されている。
  • 「スタートアップエコシステムを活性化する」というミッションが社内に深く浸透し、従業員の強い動機付けとなっている。
  • 心理的安全性が非常に高く、オープンで前向きなコミュニケーションが取れるカルチャーが醸成されている。
  • 優秀で自律性の高い人材が多く在籍しており、採用も順調に進んでいる。
  • 4つのコアバリュー(「困難だ、だが必要だ」「真摯にやろう」「上機嫌で働こう」)が浸透し、行動規範として機能している。
  • 課題解決のための「委員会」制度など、ボトムアップで組織課題に取り組む仕組みが機能している。

改善の余地があること

  • マネージャーを置かない方針を定点観測する必要があるが、事業責任者のアサインメントにより一定の解消が期待される
  • 新規事業(現在検討中の4つ目の事業)が会社のコアミッションとどう結びつくのかについて、一部のメンバーから疑問を感じている。
  • 事業間の縦割り意識が生まれつつあり、横断的な情報共有や連携に課題が見える瞬間がある。

CEO総合点:3.9点 / 5.0点

  ( 1=良くない、2=少し良くない、3=普通、4=良い、5=大変良い)    
 
全体として5.0点満点中3.9点と、高い水準を維持している。しかし、組織の成長フェーズの変化に伴い、特に人材マネジメントと戦略の明快さ潜在的な課題が浮上している。


ビジョンや戦略の明快さ: 3.5点 / 5.0点

「スタートアップエコシステムを活性化する」というミッションの浸透度は非常に高い。一方で、複数事業がどう連携し、全体としてどのような成長戦略を描いているのか、その解像度をさらに高めることが求められている。特に新規事業の位置づけについて、一部でミッションとの乖離を懸念する声が上がっている。

よく出来ていること

  • ミッションへの共感が非常に高く、従業員のエンゲージメントの源泉となっている。
  • 各事業の短期的な目標は明確に共有されており、日々の業務は進めやすい状態にある。
  • 7月の合宿などを通じて全社的な事業計画が共有され、以前よりは事業間の連携イメージが湧きやすくなったとの声がある。
  • 情報の透明性は高く、意思決定に必要な情報へのアクセスは容易である。
  • 会社の報告性や方針への納得度は高い。
  • 会社が成功することに対しての自信が上がっているメンバーが多数で、下がっている人は今回のインタビュー対象者には一人もいなかった。

改善の余地があること

  • 短期的な目標に対してミッションとの整合性が少しズレているのを気にしているメンバーが増えている
  • 新規事業(現在検討中の4つ目の事業)がコアミッションとの接続に疑問を感じる従業員がいる。
  • 「スタートアップエコシステム全体を大きくする」という視点での議論が不足しているのではないか、という懸念が一部から出ている。

コア・バリュー(価値観)の明快さ:4.35点 / 5.0点

4つのバリューは従業員に深く浸透しており、日々の行動やコミュニケーションの基盤となっている。特に「上機嫌で働こう」という価値観が、心理的安全性の高い文化の醸成に大きく貢献している。

よく出来ていること

  • 4つのバリューが明確に定義され、従業員の共感度と実践度が高い。
  • 「上機嫌」「真摯」といった価値観が、建設的でポジティブな職場環境を作り出している。
  • 新しい技術(生成AIなど)を積極的に試す文化があり、変化に対してオープンである。
  • スタートアップエコシステムを信じる力が強い
  • 前向きに働いている人が多い。
  • 寄付などトップの行動が価値観の体現として示される。

改善の余地があること

  • 特段ない

文化作り:4.00点 / 5.0点

心理的安全性は非常に高く、従業員は前向きで協力的な姿勢で業務に取り組んでいる。一方で、組織規模の拡大に伴い、事業部間の縦割りやコミュニケーションの希薄化といった兆候が見られ始めている。

よく出来ていること

  • ほとんどの従業員が、心理的安全性が高く、楽しく働けていると感じている。
  • 従業員同士の仲が良く、お互いを尊重し、協力し合う文化が根付いている。
  • 合宿などの全社イベントが、部門を超えたコミュニケーションを促進し、相互理解を深める良い機会となっている。
  • 従業員がNstock社に投資する機会がより自分ごと化やコミットメントアップにつながっている

改善の余地があること

  • 事業部間の連携が希薄になりがちで、「隣のチームが何をやっているか分からない」という状況が生まれつつある。
  • マネージャーがいないため、意思決定が特定の人に偏ったり、ビジネスロジックが先行してバランスを欠いた議論になるケースがありましたが、最近は事業責任者を明確にすることで、この点の改善が期待されています。

人材マネージメント:3.75点 / 5.0点

マネージャーを設置しないフラットな組織運営が、組織の成長に伴い限界を迎えつつあることが、複数のインタビューで指摘された最重要課題である。自律性の高い優秀な人材が揃っていることで現状は機能しているが、個人の成長支援、評価、リソース配分といった面で問題が顕在化し始めている。

よく出来ていること

  • 採用は順調であり、カルチャーにフィットした優秀な人材が集まっている。
  • 権限移譲が進んでおり、従業員は主体的に動くことができている。
  • 委員会制度など、従業員が自発的に組織課題の解決に取り組む文化がある。
  • 適正なスピード感で物事が進んでいる。

改善の余地があること

  • 個々の従業員へのフィードバック(特にパフォーマンス改善のための指摘)機会がなく、ジュニアなメンバーの成長機会が少ない可能性がある。
  • 事業部を横断した開発リソースの配分など、全体最適を判断ができているかが不明になっている。
  • 入社タイミングによる「情報格差」は存在する。

参考に

以下が各項目のスコアの内容になります。

スコアの内容 - CEO Evaluation

レポートを読んだ所感と、アクション

たくさんのフィードバックを得られたので、「よく出来ていること」「改善の余地があること」について少しコメントしたいと思います。

「よく出来ていること」について

1年前のレポートと比較しても、ポジティブなフィードバックをたくさんもらえているなと、うれしくなりました。

いくつか抜粋すると、

  • スタートアップエコシステムを信じる力が強い
  • 4つのバリューが明確に定義され、従業員の共感度と実践度が高い
  • 情報の透明性は高く、意思決定に必要な情報へのアクセスは容易である
  • 採用は順調であり、カルチャーにフィットした優秀な人材が集まっている
  • ほとんどの従業員が、心理的安全性が高く、楽しく働けていると感じている
  • 新しい技術(生成AIなど)を積極的に試す文化があり、変化に対してオープンである

などなど。

その中でも特に、『会社が成功することに対しての自信が上がっているメンバーが多数で、下がっている人は今回のインタビュー対象者には一人もいなかった。』は、なかなか出来ることではないと思うので、すごいことだなと感じました。

「改善の余地があること」について

前回同様、「改善の余地」として指摘をいただいたポイントについては、僕だけでなくNstockで働く多くのメンバーが納得できる内容が多かったと思います。

先日も「全社の方針について理解を深める会」を開き、生煮えのテーマを持ち寄って、2時間のタウンホールMTG形式でディスカッションを行いました。その中でも「新規事業(現在検討中の4つ目の事業)が、会社のコアミッションとどう結びつくのか」という問いが出ました。その場で回答を試みたのですが、うまく言語化できず、自分自身の中でもまだ100点の答えに至っていないなと思いました。後日、このテーマに関心のあるメンバーを集めての延長戦(分科会)や、四半期に1度のオールハンズでもワークショップを実施する予定です。

このような組織課題については、各種委員会や社内広報の会議体を通じて、解決を図っています。組織の課題はゼロになるものではなく、次々と生まれてくるものですが、自浄作用を持った仕組みがあることで、前向きに取り組み、解決へとつなげていけると考えています。

このような感じで、いただいたレポートは今後も積極的に活用していきます。「会社の健康診断」として定期的に振り返る機会はとても有意義だと感じたので、今後も年1回くらいのペースで続けていければと思います。

前田ヒロさん、今回もありがとうございました!

さいごに

Nstockではいま、採用に力を入れています。今回のブログを読んで、Nstockに興味をもってくださった皆さま、ぜひカジュアル面談からはじめましょう!

特に募集中の職種をピックアップします。

採用サイトもよく出来ているので、ぜひ見てみてください〜!

Nstock株式会社 採用サイト | Nstock Recruit Site

recruit.nstock.co.jp