株主を介して、社員に社長を評価してもらう
社長の評価（CEO Evaluation）を、Nstockの株主でもあるALL STAR SAAS FUNDの前田ヒロさんにやってもらいました。
株主と投資先スタートアップは、会社の成功を目的に利害が一致しています。必要とあらば耳が痛いフィードバックもちゃんとしてくれるので、相談相手としてピッタリです。先日の30億円調達で、1回目のSmartHRに続き、人生2回目の起業Nstockでも株主になってもらいました。
社員 約35名のうち20名と面談してもらい、その結果を「社長の評価」としてレポートにまとめてフィードバックしてもらいます。ネガティブな評価も伝えやすいよう、匿名で実施。社長の通知表、または会社の健康診断のようなものです。
これはあくまでも、宮田をより良いCEOにするため + Nstockをより良い会社にするためのフィードバックが目的であり、役員報酬等その他の決議に使われるものではありません。
結果を公開します
もらったレポートを、このブログでそのまま全文公開します。（誤字だけ修正済）
実はこの取り組みはSmartHR時代も実施していました。けっこう評判がよく、SmartHRの前CFO 玉木さんは当時のブログを読んで入社を決めてくれたそうです（実話）。
ということで、Nstockでも採用目的で公開します。ここから先は前田ヒロさんからもらったレポートのコピペです。
Nstock CEO Evaluation (2024)
インタビュー・ヒアリングの概要
- インタビュー期間：8月12日〜9月10日
- インタビュー対象者：20名
- インタビュー形式：それぞれと30分間のヒアリング
Summary
組織の状態は非常に良好で、特にカルチャーづくり、マネジメント、そしてバリューの設定において高い評価を得ている。一部の事業がPMF前であることや、複数事業を抱えていること、さらに組織の拡大に伴い、いくつかの課題が顕在化しつつある。
よく出来ていること
- 社内における宮田さんへの信頼や信用は非常に高く（支持率も高い）、意思決定に対する納得感が非常に強い。
- 宮田さんの他のメンバーに対する指摘やフィードバックの仕方が巧みで、親近感を感じさせるコミュニケーションを取っている。
- 1on1ミーティングを設定しやすい雰囲気とカレンダーマネジメントを実践している。
- ミッションの発信が確実になされており、社内への浸透度と共感度が非常に高い。
- 良好なカルチャーが定着しており、心理的安全性が高く、楽しく仕事ができている従業員が大多数を占めている。
- カルチャーフィットを重視した採用を進めると同時に、Nstockの事業を実現する上で必要なスペシャリスト人材も適切に獲得できている。
- 宮田さんと業界の中でのポジショニングをフルに活かされている事業だと思っている方が大半。
改善の余地があること
- 「中長期の戦略」や「複数事業がある中で全体としてどう進めていきたいか」等のテーマについて、発信を増やしてほしいという声が一部から上がっている。
- 特にセカンダリー事業に関連するプロダクトについての意思決定が求められている。
- いまは超フラットな組織だが、意思決定を早くするため、リーダーやマネジメントが欲しいというニーズが一部で出てきている。
CEO総合点：
3.88点 / 5.0点（ 1=良くない、2=少し良くない、3=普通、4=良い、5＝大変良い）
全体として5.0点満点中3.88点と、高い水準である。組織に対する詳細な評価点、優れている点、および改善の余地がある点については以下に記載しています。
ビジョンや戦略の明快さ:
3.5点 / 5.0点現在の組織規模と事業フェーズを考慮すると、全体的に良好な状態にある。複数事業を展開する際の課題が顕在化し始めており、特にPMF前のセカンダリー事業周辺の方針明確化へのニーズが高まっている。
よく出来ていること
- 「スタートアップエコシステムをブーストし、日本からGoogle級の会社を生み出す」というミッションは定期的に発信され、社内の理解と浸透度が非常に高い。
- Nstockに集まっている人の大半がスタートアップエコシステムをさらに改善したいという思いで入社しており、個人的に感じていた課題や直面していた問題とNstockが目指す世界観との整合性が高い。
- 情報の透明性も非常に高く、それぞれが仕事を進める上で必要な情報やコンテキストへのアクセスが容易である。
- 特に株式報酬SaaSが進むべき道や、どのように成長していくかについて理解している方が多い。
改善の余地があること
- セカンダリー事業がPMF前のフェーズにあるため、プロダクトに関連する意思決定に摩擦が生じており、明確な方針が求められている。
- 複数事業を持つNstockが、それぞれの事業やプロダクトをどのように連携させていくのか（技術的な面でも事業面でも）がまだ明確ではない。
- 組織の方針もどのようにするかが明確に伝わっていない。現在はかなりフラットな組織構造になっているが、この状態をいつまで続けるのか、また3事業を一体として進めるものと別々に進めるものは何かも不明確である。
コア・バリュー（価値観）の明快さ：
4.00点 / 5.0点バリューが明確に定義されており、各自がその意味を適切に理解し体現しようと努めている。社内でもバリューを大切にしている様子が感じられる。
よく出来ていること
- 「困難だ、だが必要だ」「真摯にやろう」そして「上機嫌で働こう」という3つのバリューの浸透率や体現度が非常に高く、これらのバリューに共感する人が多い。
- バリューの定義が非常に分かりやすく、どのような場面で適用するのか、またバリューを体現できているかどうかが明確である。
改善の余地があること
- バリューと事業戦略がどのように関連付けられていくのかに疑問を持つ人が一部存在する。
文化作り：
4.00点 / 5.0点全体的に心理的安全性は非常に高い状態である。一方で、事業を進める上での意思決定が必要なポイントとそのスピード感に関しては改善の余地がある。
よく出来ていること
- 素直で良い人が集まっており、楽しく、心理的安全性が高い状態で働けている人がほとんどである。
- 課題ベースで仕事が割り当てられ、信頼して任せてもらえていると感じている人が多い。
- 相手に配慮しながら物事を進める人が多い組織である。円滑に物事を着地させていくスキルを持っている人が多い。
改善の余地があること
- 金融事業のように詳細まで詰めて進めるのか、ウェブスタートアップのように先ず世に出すスタンスで進めるのかで足並みが揃っていないところがある。この点でリーダーシップを発揮して前に進める必要がある。
- 早く結果を出したいと思っている人も一部存在し、「現在の進め方が最速なのか」という点に確信を持てていない人もいる。
人材マネジメント：
4.00点 / 5.0点短期的に達成する必要があることや取るべき行動は明確になっている。一方、現在のマネジメント形態がどこまで継続するかは不透明であり、変革の必要性が徐々に顕在化し始めている。
よく出来ていること
- チームや事業として達成すべき目標は明確であり、短期的に向かうべき方向や行動、そして優先順位は明確である。
- サービスや事業を実現するために必要なスペシャリストが揃っている。
- 新入社員のオンボーディングに必要な情報やドキュメントが整っている。
改善の余地があること
- 個人目標を設定していないのは意図的であることは理解されているものの、個人単位で振り返る機会へのニーズが一部で顕在化し始めている。
- マネジメントやリーダーの役割へのニーズが少しずつ出始めており、組織の拡大に伴いチーム別の意思決定ラインや個人それぞれの評価者・評価制度の方針の必要性が高まると予想される。リーダーを置くことによって意思決定のスピードやコミュニケーションコストが下がることを期待さている。一方、フラットな組織に慣れている方が多いので進め方には慎重さが必要とみられる。
参考に
以下が各項目のスコアの内容になります。
スコアの内容 - CEO Evaluation
レポートを読んだ所感
今回、「改善の余地」として指摘をもらっているポイントについては、ぼくに限らず、Nstockで働いているほとんどの人も納得の内容が多かったかなと思います。
タイミングよく、今週の金曜に「すごい ALL HANDS」という名前の、四半期に1回の社内イベントを実施予定です。その日は「ミッション」「戦略」「バリュー」「組織どうする？」などのテーマについて、1日かけてじっくりディスカッションをしてみようと思い準備を進めています。
また、この取り組みは「社長の通知表」または「会社の健康診断」として、やはりとてもいいなと思ったので、社員数75名、100名、150名くらいのタイミングでまた実施したいなと思います。
前田ヒロさん、今回もありがとうございました！
さいごに
Nstockではいま採用をがんばっています。今回のブログを読んで、Nstockに興味をもってくださった皆さま、ぜひカジュアル面談からはじめましょう！
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- ソフトウェアエンジニア
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