前回のブログの後編です。
前回は「行政のスタートアップ推しがすごい」というテーマで書きましたが、今回は「街がビジョナリー」ということを書こうと思います。
2. 街がビジョナリー
深セン市の広さは2,050 km²で、東京都(2,188 km²)とだいたい同じ大きさです。そのなかで10の区にわかれています。
10区なかでGDPで4番目の区「宝安区(ほうあんく)」の図書館に行ってきました。世田谷区の図書館にいったくらいに思っていただければ。
これからお見せするのは、その図書館に併設されている「宝安区の未来を語る施設」の写真です。世田谷区の図書館の横に、世田谷の未来を語る施設が併設されているようなものと思っていただけると。
施設は4階建てになっていて、いろいろな展示があります。
↑まず入ってすぐこれです。区の図書館に併設されている施設ってレベルじゃないんですよね。
音楽が流れ、壁の絵は動いていて、チームラボかよってなります。この部屋ではざっくりとした宝安区の歴史を教えてくれています。
↑未来の宝安区のジオラマがいくつも展示されていています。しかもこれ映像つきで、プレゼンテーションになっている。
↑「宝安区の未来を一緒に見ようぜ!」的な。
↑区全体のジオラマだけでなく、「空港周辺」などの主要な地域は、個別に未来の街並みが展示されています。
↑こんな建物がたつぜ的な。
50万平方メートルの展示会場がたつって書いてあるんですが、東京ビッグサイトのサイト5倍です。 世界最大の展示場が50万平方メートルらしいので、たぶんこれも世界1位狙ってるんでしょうね。
よくわからない宇宙船みたいな建物の写真もあります。
↑細かい政策みたなプレゼンテーションも壁に所狭しと貼られている。
↑未来の宝安区の街並みをサイクリングできるコンテンツ(写真左)や、未来の宝安区を空から見れるコンテンツなどもあります(写真右)。
↑海から見れるやつもあった。大人も子供も楽しめるようになっています。近所にあったら休みの日に子供連れていきそう。
↑シムシティー風のゲーム。もちろん宝安区の未来をつくります。
↑ これは球体になっているスクリーンで上映されるコンテンツです。
これもまた未来の宝安区をプレゼンテーションする映像が流れるんですが、街並みが3Dに見える仕掛けになっていて、リアルに街の上空を飛んでいる感覚になります。
↑ スクリーンはこんな感じです。わかるかな?
完全に売り込まれた
繰り返しになりますが、これ「区」の図書館に併設されている施設です。すごくないですか???
この図書館から出ると、目の前に広がる宝安区の街並みにグッと来るんです。いたるところに建設中のビルや建物が本当にたくさん見えるんですよね。「ああ、本当にああなるんだな」と思わされます。そして子供たちが図書館のまわりにめっちゃいて、街の生命力みたいなものを感じる。
すると思うんですよね、「あ、宝安区に住みたい」「宝安区の成長を一緒に見たい」「宝安区の未来にのっかりたい」って。
ガイドさんに「ぼくここ住めますか??」と聞いたんですが「日本人はこっちの人と結婚しないと永住ムリねー」と言われ、冗談のつもりだったけど「あ、おれ宝安の未来を見れないのか」と軽くショックでした。
それくらい売りこまれた。
日本でそんな経験あります???
少なくともぼくはないです。
しかも宝安区って深センNo.1の街とかではなく、GDPだと4番目です。四天王で最弱でこれです。すごい。
なんで街がこんなにビジョナリーなの?
ガイドさんに聞いてみると、いろいろ答えてくれましたが要約するとこんな感じです。
- 街に金がある(経済特区)
- みんな若くて賢くて高所得
- スピードがある
- 競争が激しい
特に「競争」は繰り返し言っていて、自治体も他の自治体に負けないようにという意識が強いのだそう。 うーん、勝てなそう。
日本のスタートアップは、深センを見てなにを思えばいいのか?
頭の中に結論はあるのですが、文字にすると負けた感じがするので、ここではやめておきます。
会ったときには答えるで聞いてください。
それでは今日はこの辺で。
※ 今回の写真の一部は一緒に行ったMAMORIOの増木さんからもらいました!増木さんありがとう!