宮田昇始のブログ

Nstock と SmartHR の創業者です

人が欲しいと思うものをつくろう

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via) alvybrooks.com

1番好きなSmartHRの価値観(Value)

タイトルの「人が欲しいと思うものをつくろう」は、SmartHRが重要視する6つの価値観の1つです。

取材や面接などで「1番重要な価値観はどれですか?」と聞かれると、急拡大フェーズにおいては「自律駆動」、事業が複雑化してきたフェーズでは「最善のプランCを探す」と、その時々の状況にあわせて回答することが多いです。

しかし、「1番好きな価値観は?」と聞かれたら「人が欲しいと思うものをつくろう」だと答えると思います。

元ネタはポール・グレアムの言葉

SmartHRをはじめる前は、机上の空論から生まれた誰も欲しがらないプロダクトを、どうにかして広めようとマーケチャネルのハックばかり考えてた時代がありました。

奇しくも当時はグロースハックという言葉が流行っていました。本質的な価値を提供するプロダクトをつくる手法よりも、A/Bテストやリワードプログラムなど、小手先のグロース手法に注目が集まっていた時代でした。

そんな時に読んだ「君にグロースハックはいらない」というスライドのなかで、ポール・グレアムの "Make Something People Want." という言葉に出会いました。

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via) 君にグロースハックはいらない

また、ポール・グレアムの跡を継いだサム・アルトマン は、このように話しています。

大きく成長してきたすべての企業は、ただ一つの方法で成長しています。それはあなたのプロダクトやサービスを他の人にお勧めするようになるということです。

あなたの会社をいつか偉大な会社に成長させたいと思ったら、人々が友人にお勧めしたくなるほどいいものを作っていかなければならないということです。人々が遠回しに自分たちの良いセンスを披露するためにあなたの製品をすすめたくなるほどいいのです。

例えば友達の紹介によってクレジットを獲得できるプログラムは、DropboxやUberなどの本当におススメできるような製品やサービスであるがゆえに成功するのです。しかし、他のほとんどのスタートアップは、十分に製品が良くないためこのような友人紹介プログラムが失敗に終わるのです。

via) 大規模に成長するための唯一の方法

これらの言葉に出会ったおかげで、

「机上の空論からではなく、市場やユーザーの課題から考え、ユーザーが自慢したくなるほどのプロダクトをつくろう。」

という発想に至ることができました。

そこから数回のピボットを経て、SmartHRのアイデアが生まれました。

ユーザーが自慢したくなるプロダクトをつくれているか?

先日、こんなうれしい note が投稿されました。

note.com

SmartHRのユーザーさんが書いてくれたと思われる note ですが、どこの企業の、どなたが書いてくれたのか、私達にもわかりません。

しかし、あまりにもうれしい内容だったので、その日は何度も読み返して、その度に涙がでました。

一部内容を抜粋させていただくと、

  • 私がSmartHRを愛するのは、現状のソフトがものすごく使いやすく便利で革命的なのはもちろん、新しい機能開発の内容にいつも痺れてしまうからです。

  • これがもう「ええ?昨日私が困ってたの見てました?」というくらい「それそれ!その機能が欲しかったのよ!」という内容なんですよね。

  • これはもう本当に「ユーザーが何に困り何を望んでいるのか」を考えてくれた結果だと思います。まさにおもてなしの心。

  • ここまでされると「便利に使いたい」という思いを超えて「次はどんなことをしてくれるんだろう」という期待で、心をがっちりつかまれてしまうのです。

  • そして、私がSmartHRを応援したい1番の理由。それはSmartHRの中の人たちです。

  • 便利で優しいシステムの後ろには、それを作り支えてくれている人たちがいます。

  • 新しい機能が出れば「きっとものすごく準備してくれたんだろうな」と感謝し、困ったことがあっても「きっとすぐに解決してくれるだろう」とかまえ、緊急メンテナンスがあれば「きっと大丈夫だからな。頑張れ!」と田舎の両親さながらに見守っています。

という嬉しい言葉が、これでもかというほど並んでいました。

記事中には、今回抜粋してないSmartHR社員に関するエピソードもたくさんあるので、ご興味あればぜひ note を直接読んで欲しいです。

また、年末調整シーズンには、SmartHRの年末調整機能に関するツイートが、多い日には100件以上ツイートされます。

2019年の年末調整に関するうれしいツイートのストックが、いま手元に226個あるのですが、今日はその中から6つだけ紹介します。

こういったツイートを、年末調整シーズンは毎日山のようにお見かけします。当然、厳しい声をいただくこともありますが、この期間は毎年ヒリヒリしながらも、誇らしい気持ちになります。

調査のため、競合製品の年末調整機能に関するツイートもエゴサーチしているのですが、ツイートされる数は1日あたり0〜2件ほどです。

ここで言いたいことは、少なくとも現時点のSmartHRは「ユーザーが自慢したくなるほどのプロダクト」をつくれていそうということです。

しかし、何の努力もなしに、この状態がずっと続くとは考えていません。競合製品が急激に進化したり、私達が怠慢してしまったりすると、いつか逆転される日がやって来ることも充分にあり得ると思っています。

今後も、奢らず、ユーザーが自慢したくなるほどのプロダクトをつくり続けたいと思います。

ユーザーの感想に一喜一憂する会社であり続けたい

先日、プロダクトデザイナーのおうじさんに「早く闇落ちした宮田さんが "ユーザーってなんだっけ?" って言い出すところを見てみたい」と言われました。 ※ 念のためですが冗談です

その場で「いやいや、まだまだユーザーさんのブログを読んで泣きますからね!」と返したんですが、少しハッとしました。

権限委譲の為、プロダクト開発から完全に離れてもう4年が経ちます。

4年という月日が経っても、プロダクトへのブログやツイートで涙できることは、照れくさくもありますが、素直にうれしいなと思います。

5年前に、当時たった3人でつくりはじめたプロダクトが、こんなにも多くのユーザーに好きですと言ってもらえること。

そして、それを日々進化させ、ユーザーに届けてくれる、すごい人達が集まる会社がつくれていること。

さらには、そこで働く社員たちのことも、ユーザーに好きだと言ってもらえること。

こういった気持ちを忘れず、今後もユーザーや市場のほうを向いて仕事をし続けたいなと思い、今回のブログを書きました。

最後に

SmartHR社は、これからも慢心せずに、ユーザーが自慢したくなるようなプロダクトをつくり続けたいと思っています。

しかし、その一番のボトルネックは、エンジニア・デザイナー・PM・QAをはじめとした開発メンバーのリソースです。

社員数はこの1年で約2倍に増えているのですが、事業の成長スピードが早すぎるため、それでも全く追いつけていません。

また、さんざん良いプロダクトをつくっているアピールをしましたが、その完成度は60%くらいだと思っています。60点という点数は個人の感想ですが、CTOに聞いたらたぶんもっと低い点数をつけると思います。それくらい、高い理想を持ってプロダクトに向き合っています。

私たちと一緒に「人が欲しいと思うもの」をつくりませんか?

少しでもSmartHRに働くことに興味をお持ちの皆様、いきなり選考ではなく、カジュアル面談からはじめることも可能ですので、興味がある職種があれば、ぜひご応募ください!

ユーザー自慢したくなるほどのプロダクトをつくる以外にも、

  • セールス・マーケなど、そのプロダクトを届ける仕事
  • サポート・カスタマーサクセスなど、ユーザーを支え、ニーズを吸い上げる仕事
  • コーポーレート・情シス・営業サポートなど、その社員たちを支える仕事

などなど、ほぼ全職種で採用中です。もしよければ、採用ページだけでものぞいていってくださいませ!

smarthr.co.jp

会社の紹介スライドを置いておきます!

次回予告

『4つの数字で "いまSmartHRに入社してもやることあるの?" へ回答します』

お楽しみに!