こんにちは、SmartHRの宮田です。
私はもともとWebディレクターとして働いていて、28歳のときに起業。2年くらい鳴かず飛ばずの期間を経て、30歳のときに開発を始めたSmartHRが伸びて、今に至ります。(現在33歳)
今回は、弊社でディレクターやプロダクトマネージャーといった職種を急募(切実)しているということもあり、自分のディレクター時代の話を書こうと思います。
ディレクター時代の話
新卒から、起業するまでの約7年間、ずっとディレクターをやっていました。受託開発の経験も、自社サービスの経験も、両方あります。
なんなら起業してからも鳴かず飛ばずの時代は、受託案件をディレクションしたり、ディレクターとして友人の会社から常駐の仕事をもらって食いつないでいました。
いまだに職業を聞かれると、社長と答えるかディレクターと答えるか悩むほど染み付いています。
さて、そんな私がディレクターを辞めて起業したのにはいくつか理由があります。
ディレクターだった私が抱えていた不安
起業するなんて1ミリも考えていなかった20代中盤のころ、ディレクターとしてキャリアに漠然とした不安を抱えていました。
1. ずっとこの仕事を続けられるのか?
当時はハードな職場にいたこともあり、体力的な不安に加えて、新しい知識や、流行への感度を持ち続けることができるのか?という不安もありました。(40歳、50歳とかになっても第一線でやれてるイメージがあまり湧かなかった)
2.お金の不安
当時はソーシャルゲーム全盛期で、エンジニアさんの給与は爆騰していましたが、ディレクターに関しては業界的になんとなく年収600万円くらいで頭打ち感ありました。
転機(同じディレクターの先輩に知り合う)
そんなとき、ライブドア社で働く少し年上のディレクター @yabucccchi にたまたま知り合い、飲みながら相談したこところ、こんなアドバイスをもらいました。
「ディレクターをやってる人は、起業家やITベンチャーの人事にも向いている。」
その理由はなるほど感満載でした。
- エンジニアや、デザイナーと一緒に働いた経験が生きる
- プロダクト開発の経験が生きる
- Webマーケや、コピーライティング、文章を書くスキルが生きる
- 企画力が生きる etc...
Webディレクターってなんでも屋で器用貧乏になりがちなんですが、その経験やスキルがたしかにその2つの職種では生きるなと感じました。
その後、@yabucccchi はLINE社の人事マネージャーに、ぼくはスタートアップを起業することになりました。
なぜ人事じゃなくて起業を?
当時から、漠然と「ずっとインターネット業界で生きていくんだろうな」と感じており、「どうせこの業界で生きていくなら、自分達の代表作と言えるようなプロダクトをつくりたい!」という思いが強くあったからです。
「世の中を変えたい!」「起業したい!」というよりは、「良いプロダクトをつくりたい」という思いが先行して、友人を誘って会社をつくり、最初の2年間は痛い目に会いました(苦笑)
ディレクターが起業家に向いている3つの理由
さて、起業してから5年、SmartHRを公開してから2年半たって思うのは、「ディレクターってやっぱり社長に向いてたな〜」ということです。
1. 浅く広い業務知識
これは初期のなんでもやるフェーズを切り抜けるときにとても役に立ちます。プロダクト開発にはじまり、ドメインとってLPつくったり、リスティングやfacebook広告まわしたり、営業したり、規約や契約書をつくったり、請求書を発行したりと、やること多すぎですが、どれもなんとなくかじったことがあるので学習コストが少なく、スピーディーにこなせます。
でも一番は、早くからメンバーに仕事を委任しやすいという点かもしれません。下手に専門性がない分、気になることもなく、思い切って任せていけます。
また、だいたいの職種とコミュニケーションがとれるので、人が増えたあとにも各チームの業務理解や、壁打ち相手になれるという点、採用面接で具体的な話ができるという点でも生きます。
2. 採用やPRにも生きる
マーケやコピーライティングの経験が、採用やPRなどにも生きます。
例えば、いま読んでもらっているこのブログをパッと企画して、すぐに手を動かせたり、どうやって読んで欲しい人に届けるかを考えたり、その人達の目に止まりそうなタイトルを考えることができます。
先日公開した会社紹介資料も、スライドの9割くらいは私がつくっています。こういうことを社長ができるっていうのは採用やPRにレバレッジをかけられるな〜と思います。
3. プロダクトづくりと組織づくりは似ている
ディレクター時代、「このプロダクトは良くない」とわかっているのに「でも、つくらなければならない」ということが多々ありました。でも、良くないプロダクトってどれだけマーケや営業をがんばったところで伸びないんですよね。
会社や組織も同じで、採用広報をがんばったとことで、良い人が採用できるわけではありません。良い会社、良い組織をつくらないと、採用はうまくいかないんです。
じゃあどういう会社、どういう組織をつくればいいのかを考え、それを実現していくプロセスは、けっこうプロダクト開発や運営に似ているな〜と感じます。
「良いプロダクトをつくりたい」と思って起業した私は、いまではプロダクト開発から完全に離れていますが、SmartHRという会社や組織が自分のプロダクトだと思っているので、今とても楽しいです。
ディレクターが起業家になったら苦労しそうな2つの理由
さて、良い話ばかりではなく、苦労したことも当然あります。
1.器用貧乏なスキルセット
ディレクターは、良くも悪くも器用貧乏です。営業系の社長ほどグイグイとビジネスをひっぱれないし、エンジニア系の社長ほど、開発をひっぱることもできません。
特に、2〜3名でやっているような時期は、尖ったスキルがないと推進力は弱い気がします。
でもまあ事業がうまくいきはじめて、各ジャンルの専門家を採用できるようになるまでの辛抱です。
2. 「自分はこれがやりたい!」と思うネタがない
これは偏見かもしれませんが、ディレクターって「自分はこれがやりたい!」と思うネタをもっている人が少ない気がします。ぼくもそうでした。
職業柄、クライアントや自社の社長など、誰かのやりたいことを実現することが多く、「自分はこれがやりたい」という発想自体が身につきづらい気がします。
でもまあそんな私でも、自分がやるべき事業を見つけられたので、これもなんとかなる気はします。
元ディレクターの僕が思う、ディレクターがSmartHR社に転職すると良い5つの理由
唐突ですが、悩めるディレクターの皆さん、SmartHRで働いてみませんか?
【募集ポジション】
- 新規プロダクトのプロダクトマネージャー(3名)
既存プロダクトの開発ディレクター(1名)外部サービス連携の開発ディレクター(1名)
※ 2019 年2月現在
現在、ディレクターやプロダクトマネージャーの経験がある方を、3名ほど急募しています!(切実に)
では、SmartHRが悩めるディレクターさんの転職先として魅力的な理由をご紹介します。
1. 自分の代表作をつくるチャンスがある
今後2年で10個ほどのプロダクトを立ち上げる予定があります。あなたの代表作となるプロダクトをつくれるかもしれません。詳細はまだ書けないのですが、ぜひ話を聞きにきて欲しいです。
また、SmartHR本体でも開発ディレクターを募集しています。これまで開発ほぼ未経験のプロダクトマネージャー @tomosoe が開発チームと二人三脚でやってきたんですが、プロダクトが大きくなるにつれて開発ディレクターさんの力が(急速に)必要になってきています。
外部サービスとのインパクトある連携も控えています。外部サービスとの、インパクトある、連携も、控えています。(重要なことなので)
これら複数の重要なポジションであなたを必要しています!!
2. ユーザーの課題がごろごろある
SmartHRを運営していくなかで発見したのですが、HRのジャンルは課題の宝庫です。参入のチャンスしかありません。且つ、本当にユーザーの役に立つ、世の中の役に立つプロダクトがつくれます。
なので、今は明確なやりたいことがなくても大丈夫です。課題の見つけ方も、SmartHRでの開発経験を通して学べます。もう「良くないとわかっているプロダクト」をつくる必要もありません。
3. 起業に必要な知識をいろいろ得られる
先述のとおり、ディレクターは起業家に向いています。将来、起業を考えているのであれば、SmartHR社ほどスタートアップの伸ばし方を学べる会社はないと思います。
例えば、すべてのKPIが公開されています。KPIだけでなく、銀行口座の残高などもオープンです。また、経営会議の議事録はすべてオープンになっており、なんなら議論した内容をしっかりメンバーに説明する時間を毎週もうけています。
経営会議だけでなく、株主とのMTGや、資金調達でVCさんと話をした内容なども読むことができます。ここまで肌でスタートアップ経営を学べる会社は、他にはないという自信があります。
なぜそのような会社にしているのかはこのブログや、こちらの記事をご覧ください。
4. ディレクターを続けたいという人のキャリアもサポートする
もちろん、起業やジョブチェンジの選択をせずに、ディレクターとして働き続ける選択肢もあると思います。
ぼく自身も元ディレクターなので、あなたのキャリアについて相談にのることができますし、そういう人がSmartHR社で、将来の不安を感じないような会社にしたいと思っています。これは、ディレクターに限らず他の職種も。
次のスライドを見ていただければ「口だけなく、本当に思ってそう」、となんとなく感じてもらえると思います。
5. (たぶん)SmartHRは良い会社です
先日、SmartHR 社が面接で使っている資料を Speaker Deck で公開しました。昇給実績や、いま入社した場合にもらえるストックオプションのシミュレーション結果 もアリます。
(大人の事情でモザイクをかけたので直接聞きにきてね)※ 2019 年2月現在
スライドにも書いていますが、SmartHRはビジネスも順調で、いい会社です。(おそらく)
我々はすでにそこそこイケてるSaaSの会社です。しかし、その現状に満足はしていません。Salesforce や、Slack 、Dropbox のように、インターネット歴史に残るプロダクト & 事業にまで SmartHR を成長させたいです。
しかし、やりたいことに対してリソースが全く足りてません。
そして実は、急激にエンジニアさんの採用が増えており、いま一番不足しているのがディレクターやプロダクトマネージャーのような役割をできる人です。
一緒に、インターネットの歴史に残るプロダクトをつくる手伝いをしてほしいです。ご応募お待ちしてます!
▼ 公式サイト smarthr.co.jp
▼ WANTEDLY www.wantedly.com
次回予告
がんばって採用したWebディレクターに社長の座を奪われそうです! 助けてください!